No.89 (ヨーロッパ諸国の植民活動@)  : 

「ジャズ音楽が米で生まれた背景とは何か?」

アメリカにはアフリカからプランテーション(単一栽培の大農園)の労働力として黒人
奴隷が連れて来られた。そのプランテーションではヨーロッパに砂糖をもたらすサト
ウキビ栽培などが行われていた。そしてヨーロッパはアフリカに部族間の対立につ
け込んで武器を輸出していた。こうした三角貿易の中で、北米南部の港町ニューオ
リンズに発生したのがジャズ音楽である。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
代表的なアメリカ文化の一つとして知られるジャズ音楽の誕生に、黒人奴隷貿易の
悲劇が深く関わっていることを知ることで、意欲的に学習に取り組んでいる。

思考・判断:

アフリカの部族間対立や競争を利用かつ助長することで、ヨーロッパ人商人が武器
や日用品を売りつけ、その買い手である黒人が、「奴隷狩り」を代行するという悪循
環が見られたことについて考察している。

資料活用の技能・表現:
地図上に、ヨーロッパ・アフリカ・アメリカを頂点とする三角形を、三つの辺が矢印とな
るように描き、武器や日用品・黒人奴隷・砂糖のそれぞれが、商品として運ばれたこ
とを見取り図にして把握している。

知識・理解:
「黒い積み荷」の黒人奴隷と「白い積み荷」の砂糖が、三角貿易による商品の中心で
あることや、当時のアメリカ大陸やヨーロッパで両者の需要が高かった理由について、
基本的な知識を身につけている。